ポジティブ思考はよいことをもたらすだけでなく、実はデメリットもあることはご存知でしたか。仕事、人間関係、恋愛、人生など、何かとポジティブに考えることがよいとされる今の時代。
ポジティブ思考は、一種のトレンドともいえるかもしれません。しかしあまり意識しすぎると、逆に自己満足度が低下するリスクもあるのです。そこで今回は、ポジティブ思考について考えられるデメリットを詳しくご紹介していきましょう。
ポジティブ思考とは何か?
まずはポジティブ思考とは何か、大切なポイントをご紹介していきます。正しく理解することで、より楽に物事を捉えられるようになります。
前向きに物事を解釈する
ポジティブ思考だけを意識してしまうとデメリットになることもありますが、基本的にポジティブ思考は物事を前向きに捉え、困った状況でもよい面を見つける心の在り方や考え方とされています。
失敗した時、ずっと悩んで自分を苦しめたことは誰でも経験があるはずですが、そんな時にポジティブ思考になると、精神的にとても楽になり、辛い状況から抜け出すことができます。
楽観的との違いは?
失敗しても笑って過ごせる人はポジティブなのか、それとも楽観的なのか。この二つの違いですが、「楽観的」とは物事をうまく捉え、よい結果が生まれる期待や態度、考え方などのことです。
楽観的な人は、難しいことに挑戦する場合でも「何とかなる」と物事を肯定的に捉えますので、考え方のタイプとしてはポジティブ思考に共通することはあります。
ポジティブ思考は、より物事に積極的に接していくことで、状況や結果を深掘りして納得していくものです。楽観主義は若干危機感が足りないこともありますので、「ポジティブ」とは違い、必ずしも褒め言葉として使われるわけではないでしょう。
問題解決のアプローチ
失敗や悩み事など、ネガティブなシチュエーションでの問題解決の土台になるものがポジティブ思考です。この場合はデメリットにはならず、困難な状況を自己成長のステップにするもので、将来に活かすためのチャンスに。
たとえ失敗してもそれは悪いことではなく、そこから何かを学びアプローチしていくというものです。
自分の強みを知る
ポジティブ思考は、自分に足りないことや不足していることを認識するもの。なぜこうなったのか考え、さらに自分が持っている力を認識してフル活用するための考え方です。
物事が全てうまくいってしまうと、自己発見できないですよね。ポジティブ思考は、よい面でも悪い面でも自分を知るためのアプローチになります。
希望を持つこと
ポジティブ思考は、心配や不安を煽るものではなく、未来が明るくなる希望を与えるもの。そのために今何をするべきかと考えて行動するエネルギーを与えてくれます。
たとえばキャンプに行く日の雨予報。ネガティブになると自分の運の悪さを責め、一気に気分が低迷します。しかしポジティブ思考は、そのような不安をなくして雨でもキャンプが楽しめるよう考えたり、雨だからこそできることを計画したり、本来心配される未来を好転させるものです。
ネガティブをポジティブに変えるテクニック
ポジティブ思考は、ネガティブなものからポジティブを発見してマインドセットするテクニックです。それを身につけると人生の満足度が高まり、自己肯定感もアップします。
更に同じくポジティブな人同士がつながるため、毎日の生活が充実するでしょう。
悪い状況の中にもポジティブな面は必ずありますので、ポジティブ思考を身につけることは、悲観的になった時にそんな感情を素早く手放すスキルにもなります。
ポジティブになりすぎるデメリットについて
よいことだらけに思えるポジティブ思考ですが、デメリットも存在しますので、どちらも理解したうえで心身のバランスを健康的に維持していきましょう。
現実逃避してしまう
悪い状況にどっぷり浸ってしまうと、なかなか抜け出せませんよね。そんな時に助けてくれるポジティブ思考ですが、あまり意識しすぎると現実逃避してしまうデメリットがあります。
ポジティブでいなければいけないという思いのために、目の前のトラブルや問題から目を背けてしまうことも。何とかなる、大丈夫だと自動的に信じてしまうのは、問題解決のアプローチにはならないのです。
大切なのは、あくまでも状況や原因を理解したうえで前向きに考えることです。現実を楽観視しすぎると、より深刻な問題になりかねません。
心身の不調につながる可能性がある
ポジティブ思考のデメリットは、ネガティブな感情を無理に抑えることで結果的に心身の不調につながるリスクがあることです。ポジティブにこだわると、悲しみ、怒り、不安などの負の感情が悪いものだと信じてしまうため、そんな気持ちになるとすぐに抑圧してしまうのです。
いつもネガティブな気持ちで過ごすことは決してよくありませんが、このような感情は稀に自分自身にやるべきことや危険を知らせる大切なサインになるのです。
自分のあらゆる感情を無視してしまうと、イライラやストレスなど、更なるネガティブな感情を引き寄せてしまうデメリットがあります。
無謀な行動になる
ポジティブ思考のデメリットは、過度な期待をしてしまい、自分のスキル以上のことをやろうとしたり、状況を適切に判断せず行動したりするためにリスクが増大する可能性があることです。
無理な状況だからやめようと歯止めをかけることがネガティブな考え。ポジティブ思考が行き過ぎると、準備不足で挑戦し、本来対処できるはずだったリスキーな場面で失敗してしまうのです。結果的にポジティブ思考のために自信喪失にもなりかねないでしょう。
過度なプレッシャーを感じる
ポジティブ思考のデメリットは、常にそうでなければいけないと自分に圧力をかけてしまうことです。このようなプレッシャーは、社会的な圧力と同じ。
ポジティブが絶賛される風潮があるので、常に前向きでいなければいけないとネガティブな感情を抑圧してしまうのです。更に自分自身でも強く思い込み、ネガティブではダメだとプレッシャーをかけると、精神的な負担が大きくなってしまいます。
孤立感を覚える
いつもニコニコしていて元気な人は、悩みがなくとても強い人だと思われ、他人の辛い気持ちを理解してくれないだろうと誤解されてしまうリスクがあります。
ポジティブ思考のデメリットは、そのような態度が周囲からの孤立につながること。また、他人が困っている時に「大丈夫だよ」と気軽に声をかけると、相手の気持ちに寄り添えず、共感してくれない人だと思われることもあるでしょう。
疲れた時の対処方法について
ポジティブに頑張りすぎると、疲労感やストレスが増大することがあります。では、ポジティブ思考のデメリットが気になり始めた時の対処方法を詳しくご紹介していきましょう。
好きなことをしよう
ポジティブ思考がデメリットになると、本来の自分を抑圧してイライラすることがあります。そんな時は、素直になり好きなことをやってみましょう。
趣味がある人は、時間を割いて趣味に没頭すること。運動したり料理をしたり、どのようなことでもいいので、好きなことを思い出してみてください。
それに取り組んでいる時間は嫌なことを忘れ、プレッシャーやストレスから逃れられます。また、好きなことをやっていると自己肯定感が高まりますので、健康的なポジティブ思考にもなっていくことでしょう。
ポジティブに過ごすことは、気づかない間に他人軸になっている可能性があります。好きなことをする時間の中で思考バランスを整えておきましょう。
気分転換をする
他人にどう思われても、一番大切なのは自分自身に満足しているかどうか。ポジティブ思考がストレスになったら、逆に塞ぎ込みがちになって新しいことにも挑戦できなくなります。
しかし気分転換をすれば、リフレッシュされてモチベーションもアップするでしょう。この気持ちの変化が、ポジティブ思考をうまく取り入れるコツにもなります。
感情や気分は、毎日の行動や思考に大きな影響を与えますので、普段やらないことなどをして気分転換をしてみましょう。気持ちが整ったら、パフォーマンスも最大限発揮できるでしょう。
信頼できる人に相談する
ポジティブ思考のデメリットには孤立感がありますが、その状態が続くと心身にも負担があります。そんな時は、周囲に相談することが大切です。
信頼できる人や何でも話せる友人に、今の気持ちを素直に伝えてみてください。解決策はすぐには見つからないかもしれませんが、話すことで気持ちが楽になると受け止め方が変わっていきます。
もし理由もなく疲労感が続くなど、何らかの症状がある場合は、専門のサポートを受けることも大切です。ポジティブ思考に疲れたら、無理せずに過ごすことが必要です。
身体を休めること
イライラしたり塞ぎ込んだりしてしまうのは、心だけでなく身体にも負担がかかることです。ポジティブ思考で疲れた時は、十分な睡眠をとってください。
心身の回復に欠かせない基本です。短時間の昼寝、早く就寝するなど、自分の身体に正直になることも必要です。また、温かいお風呂に入り、血行を促進することで気持ちのリフレッシュや身体が楽になるメリットも得られるでしょう。
気分がいい日は、ストレッチやウォーキングで自然と触れ合うこともおすすめです。身体を休めて心が元気になってくれば、ポジティブ思考も自然と回復してくるでしょう。
デジタルデトックスをする
メディアやネットなど、あらゆるところで話題になるポジティブ思考。現代社会で生きる人々には欠かせない大切なことですが、多すぎる情報のためにストレスになることがあります。
このため、たまにはスマホやパソコンから離れて過ごすこともよいでしょう。いつもデジタルに頼っていると、独自に考えたり感じたりすることが減ってしまいます。
デジタルデトックスは、脳の疲労を回復するために重要な時間になりますので、集中力が低下していたりイライラしていたりする時は一定期間デジタルデトックスを試してみてください。
とくにおすすめなのは、食事の時間や就寝前のデジタルデトックスです。心身を解放してリラックスしてみましょう。
負担にならないポジティブ思考のコツ
ポジティブな人はいつも素敵で、周囲にもプラスのオーラを放っていますよね。そんな人になりたいと思うのは自然なことですが、デメリットをできるだけ避けてポジティブ思考でいるためには、次のコツがあります。
完璧主義をやめる
迷いや不安は誰も経験があることで、人間なら当然のことです。しかしポジティブになりすぎると、そのような感情を抱くこと自体が悪いと思い始め、もっと苦しくなりますので、そこで完璧主義を手放してみましょう。
弱い自分がいてもいい、これで十分だと思えるようにすること。ベストを尽くしたうえでの結果なら、自分を認めてあげられます。そしてゴールも高く設定せず、小さな成功を喜ぶことで、もっと自信が持てるようになるでしょう。
ポジティブな環境を意識する
ネガティブな人の周囲にいると、イライラや不安が募り嫌なオーラに包まれてしまいます。ポジティブ思考をもっと楽に続けるなら、環境整備も大切なポイントになるでしょう。
ポジティブな人と一緒にいると、自然と自分にもよい影響があり、ポジティブになりやすくなります。また、ネットからのネガティブな情報は、なるべく目にしないよう意識すること。すぐに変えられることではないかもしれませんが、毎日少しずつ取り入れていきましょう。
他人の評価は気にしない
他人の意見や評価は、過度なポジティブ思考を招き、デメリットになることがあります。できるだけ自分だけに集中し、他人と比較したりどう思われているのか考えたりしないようにしましょう。
他人軸をなくすには、過去の自分と今の自分を比較して成長したことにフォーカスしてみてください。周囲に気を遣いながら暮らしてもうまくいかないことはあります。他人に振り回されていると解釈すれば、次第に自分自身を優先した考え方に変えられるでしょう。
ポジティブな表現を意識する
「ムリだ」「できない」「やらないほうがよかった」など、ネガティブな表現をしていると次第にネガティブ思考になります。ポジティブ思考を上手に持ち続けるには、表現方法や選ぶ言葉も意識してみましょう。
意識的にポジティブな言葉を選び、「やってみよう」「できた」「何かをしたい」など、日頃使う言葉の視点を変えてみるのです。そして毎日自分自身に肯定的な言葉を投げかけて、潜在意識にインプットしていきましょう。
感謝の気持ちを忘れないこと
健康的かつポジティブに過ごすには、感謝の気持ちを持つことがとても大切です。毎日一日を振り返り、感謝できることを5つ考えること。些細なことでももちろんいいので、ポジティブな側面をたくさん見つける習慣をつけてください。
そして誰かに「ありがとう」と感謝することも大切です。感謝は相手も温かい気持ちになり、お互いにポジティブな環境が整います。
ポジティブ思考が引き寄せるものとは?
ポジティブ思考が引き寄せるものはたくさんありますが、とくに意識したいポイントを詳しくご紹介していきましょう。
よい人間関係
ポジティブ思考は、周囲によい印象や影響を与え、親しみやすい人として周囲が理解してくれます自然とポジティブな人が集まってきますし、他者からの信頼も得やすくなるでしょう。
そしてポジティブな力は周囲にも広がりますので、困った時にお互いにサポートしやすくなることもメリットです。最終的にポジティブなマインドセットで、新しい人間関係や環境が作られる可能性があります。
幸福感が高まる
ポジティブ思考は幸福感が高まりますので、人生を充実させ、もっと満たされた生活を期待する方は、積極的にポジティブになることをおすすめします。
ネガティブな思考は、自分が努力してもどこにエネルギーが向いているのかわからない状態。逆にポジティブ思考は、将来にどんどんプラスのエネルギーを注いでいますので、ゴールも達成しやすくなります。結果よりも過程のほうが大切だと考えるため、何をやっても満足感が得られるでしょう。
可能性が広がる
ポジティブ思考は、新しい可能性を見つけるチャンスを引き寄せます。ネガティブな感情がなくなると、問題に直面した時に建設的な思考になりますので、困難を乗り越えやすくなるのです。
また、新しいことに挑戦したり、積極性が高まったりすることで、予期せぬチャンスを掴める可能性も。失敗しても「今度は大丈夫だ」とプラスに捉え直すことは、再び何かに挑戦するエネルギーになるでしょう。
自己成長
ポジティブ思考は、自分のよい点と悪い点に気づき、より自己肯定感が高まります。失敗を恐れず学習することで、スキルアップにもつながるでしょう。自己成長は、人生を豊かにするためのヒントを与えてくれます。
ポジティブ思考について理解するとプラスになる!
頭の中で考えていても、実際にはポジティブ思考でいることは難しい場面も多いです。デメリットもありますが、上手に自分らしくポジティブ思考を持ち続けることで、周囲にもよい影響を与え、より幸福な人生を導くツールになることは間違いないでしょう。
大切なことは、日々の実践を繰り返すこと。そうすると、物事の感じ方や考え方が少しずつ変わっていくのです。
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