凶方位に引っ越ししてしまった場合、どのような影響があるのかとても心配になりますよね。引っ越しの際に方位を調べておくことは必要ですが、場合によってはよい物件とのめぐり逢いで、方位を意識せず引っ越しを決断することもあるでしょう。
「凶方位」と聞くと、運気が低迷したり悪いことが起こったりという心配がつきものです。しかし旅行とは異なり、引っ越しはすぐに予定をキャンセルしたり方向を変えたりするのは難しいこと。
そこで今回は、凶方位に引っ越しした場合の対策についてまとめましたので、詳しくご解説していきましょう。
凶方位とは何か?
住む場所、転職する場所、旅行先など、何かをする際にたびたび「方位」について話題になりますが、まずは凶方位について詳しくご解説していきましょう。
九星気学について
凶方位を知る前に、まず「九星気学」について理解することが大切です。九星気学とは、易の八卦をベースにした思想で「十干十二支」「陰陽」「五行」などの自然の気の流れ、宇宙のエネルギーの流れを9つに分けた考え方のことです。
九星気学により、その人の基本的な性格や宿命、そして吉方位と凶方位が鑑定できます。吉方位と凶方位は、その人の九星やタイミングによって異なりますので、知り合いの吉方位が自分にも当てはまるとは限りません。
吉方位について
「吉方位」とはその名の通り、九星気学に基づいて割り出した方位のことで、その方角に出向くと幸運が得られるといわれています。吉方位の土地にはプラスのパワーが宿っているので、自分の気の流れが活発になり開運効果が期待できます。
吉方位に出向き開運を願うことは「方位取り」と呼ばれ、旅行や引っ越しなど、古くから多くの人が吉方位を意識して移動しています。
凶方位について
「凶方位に引っ越ししてはいけない」といわれるように、凶方位にはネガティブなパワーがあり、運気の低迷を招くリスクがあるとされています。
九星気学では、自宅を中心にして東西南北、東北、東南、北西、南西と方角を分けて考え、それぞれの方位は時期により巡る星が変わってきます。
吉方位とは逆の方位のため、自分にとって不運や不幸なことが起こる可能性が示唆されています。重大なことを決断する場合は、できるだけ吉方位を意識したほうが安心です。
たとえば引っ越ししてから仕事がうまくいかない、体調を崩しやすくなったなど、よくないことが連続する場合は、その方角が自分にとって凶方位の可能性があります。
凶方位の調べ方について
凶方位がどこか知りたい場合、いくつかの方法があるのでご紹介します。まずは「生年月日」と「本命卦」を使い、自分の凶方位を割り出す方法です。
インターネットで検索すると、生年月日を入力して調べるサイトもあるので利用してみてください。次の方法は、家の方位盤で知る方法です。
やり方は、家の中心から四隅を結ぶ対角線を引き、中心を導き出したら、そこに方位盤を置いて特定するというもの。自分で調べるのが不安な場合や正確に知りたい場合は、占い師などの専門家に相談しましょう。神社や寺院でも引っ越しの方位鑑定などを行っている場合もあるので、気になった際には問い合わせてみてください。
凶方位の種類について
凶方位にはいくつか種類があり、それぞれ影響が若干異なる可能性があります。では、凶方位の種類についても詳しくご説明していきましょう。
五黄殺
凶方位の引っ越しで避けるべきなのは「五黄殺」と呼ばれるもので、最強の大凶方位と呼ばれています。方位は生年月日によって異なるものの、五黄殺は万人に共通する凶方位で、東洋の占術でもかなり意識される部分。
五黄殺は自滅、崩壊、破壊、喪失、暴力などの強烈でネガティブなパワーがありますが、凶の影響が表れるまでは比較的時間がかかり、内部からじわじわと蝕まれるような感覚ともいわれています。
そのため悪いことが起こっても、既に取り返しのつかない状態ということ。重大な事故、生命にかかわる病気、会社の破産、離婚など、人生を変えるほどの不幸を招く場合もあるとされています。
これらの凶作用を避けるには、五黄殺の方位には動かないこと。とくに引っ越しは、最も強く凶作用が出るともいわれています。
暗剣殺
五黄殺に並ぶほど強烈なパワーがある「暗剣殺」も大凶方位のひとつで、これも万人に共通するものです。「暗闇から剣で刺される」という意味があるように、予測できない外部からの災難が起こる可能性があります。
不慮の事故や人間関係によるダメージ、巻き込み事故など、自分の意思では避けられない不幸などがあることも。凶作用の表れ方としては、外側からやってくることが特徴で、全く自分は関係ないのにトラブルに巻き込まれるというケースが多いでしょう。
引っ越しや事務所の移転などで暗剣殺に異動するのは最も避けたいこと。もしその方角に行く予定がある場合は、注意深く周辺を意識して行動することが必要です。
歳破・月破・日破・時破
「歳破・月破・日破・時破」は、ネガティブな作用を持つ凶方位のことで、物事が破れたり壊れたりするという意味があります。歳破・月破・日破・時破は、特定の年月日の十二支とその対沖にある十二支の組み合わせで決まるもの。
歳破は年の大凶方位で、長期的な旅行や土地の購入、引っ越しなどを行うと、人間関係の不和や物事の破壊などのトラブルを招くとされています。
その凶作用は強烈で、その年ずっと影響を受けると考えられています。月破はその月に限定したもので、計画の失敗、予想外のトラブルなどを招くもの。
日破はその日一日の行動や計画に影響を与えるもので、その日の商談が失敗するなどのケースもあります。時破は時間帯が限定された凶方位で、その時間帯に移動することや重要な判断は避けるべきと考えられています。
定位対冲
九星学によると、九星がその年、月の定位置とは真反対の方位に行った時に生じる凶作用のことを「定位対冲」といいます。たとえば物事の最終段階で失敗したり破綻したりすることがあります。
準備したことが最終局面で裏目に出るなど、人間関係の裏切り行為で計画が失敗することも。また、裏返る作用により吉が凶に転じやすい特徴がありますので、物事の節目、移動などには注意が必要です。
本命殺
「本命殺」は万人に共通するものではなく、自分の生まれた年の星が巡る方位のことで、たとえると一白水星の人ならこの星が巡る方位が吉方位になります。
個人に関する凶方位の中でも力が強く、手術が必要なほどのケガや体力の急激な低下、生命にかかわる健康トラブルや事故などを招くリスクがあるものです。
また、精神的なダメージもあり、気持ちが不安定になったり自己否定的な気分になったりするというネガティブな作用もあります。特徴としては、身体や精神など、自分の内部に凶作用が表れやすいこと。
引っ越しは一番避けたいことで、最も強い凶作用が出る可能性があります。他にも長期的な旅行や出張も、本命殺の方位は避けること。入院や通院が必要な人は、本命殺にあたる方位の医療機関は避けたほうがよいともいわれています。
本命的殺
「本命的殺」は本命殺と真反対の方位で、生まれた年により方位が異なるものです。本命的殺の特徴は、凶作用が外部からやってくることが多い点。
他人から受ける被害、不慮の事故など、自分の意思では制御できない災難が特徴です。たとえば信頼していたビジネスパートナーに裏切られて財産を失うなど、個人的な凶作用が特徴で他動的であることに注意が必要です。
本命的殺の方位への引っ越しはなるべく避けることが大切ですが、長期的な出張や旅行中の重要な契約、交渉なども避けるとよいとされています。
月命殺
その人の命や健康に与える凶作用が特徴の「月命殺」。人それぞれ異なる方位で、影響は月単位で表れます。本命殺ほどの強烈な凶作用はないともいわれていますが、健康や身体、精神など、内面に与えるダメージが特徴です。体調不良なら、内臓系などが考えられるでしょう。
月命的殺
外面からの影響やトラブルを引き起こす「月命的殺」は、月命殺と同様に凶作用が月単位で表れ、運気の低迷や健康状態の悪化などの影響が考えられます。
突発的な病気やケガなども多く、自分の意思とは関係なく降りかかるケースが多いです。月命的殺は月ごと、またはそれよりも短期的な凶作用で、その月にその方位に異動しない、または重要な行動はその方位で行わないといった注意が必要です。
凶方位に引っ越しした場合の対策
どうしても凶方位になってしまった、引っ越し後に凶方位であることを知った、引っ越し後によくないことが続くということもあるでしょう。
凶方位に引っ越したとしても、必ずしも運気が低迷するわけではなく、それ以上に気持ちが落ち着かないという場合もありますよね。
そこで、凶方位に引っ越しした場合の対策や、運気の低迷を回避するコツについて詳しくご紹介していきましょう。
方違えをする
九星気学で用いられている「方違え」とは、凶方位への移動で受ける災いを避けるための開運方法です。引っ越しや長期旅行などの移動の際に行う方法で、日本では古くから取り入られており、平安時代から続いている風習です。
方違えは、目的地が凶方位でも吉方位を経由して目的地の方位を変えるという方法。たとえば引っ越し先が自宅から見ると凶方位に当たる場合、一時的な仮住まいのように自宅から吉方位を探し、そこに滞在します。
コツは、1泊以上そこに滞在すること。それにより「気の起点」が仮住まいの場所になりますので、自宅ではなく仮住まいから見た方位が最終目的地の方位となり、凶方位の災難を回避することができます。
九星気学では、プラスのエネルギーをたっぷり吸収するために、一時滞在はできれば4泊が望ましいとされています。今の時代では、ホテルや知り合いの家に滞在する方違えも一般的になっています。
寝床違えをする
仮住まいはコスト的、時間的にも大変なので、凶方位に引っ越しした場合の対策として「寝床違え」もおすすめです。日常的かつ手軽な方法で、家相や九星気学でも用いられるもの。
寝床違えとは、凶方位の影響を日常的に受けている場合や、凶作用が短期的な場合などに、寝床を一時的に変えて凶作用を回避するものです。
毎日の睡眠を活用するもので、毎日長い時間滞在する場所なので、凶作用も緩和しやすいことが特徴。まず自宅全体の方位を確認し、ベッドの位置が凶方位にあたっているかどうか確認します。
そして、凶作用を避けるために部屋の別の場所にベッドや布団を移動させるというやり方です。寝床を移動させれば、体が受けるエネルギーを変えられるという考え。
方違えよりも凶作用をリセットする力は弱いといわれていますが、短期間の気の調整などには有効な方法とされています。
方位除けをする
「方位除け」はよく耳にする言葉ですが、これは旅行や引っ越しなどで凶方位を避けられない場合に、災厄を未然に防ぐ祈祷のことです。たとえば厄年などに大きな予定を計画している人などは、方位除けを行うことがあるもの。
目的は、凶方位からくる邪気を祓い清めることで、神社仏閣で神や仏の力により身を守る方法です。たとえば不慮の事故や病気、人間関係の悪化などのトラブルを遠ざける効果が期待できるもの。
また、ご祈祷を受けると参拝者の心身も清浄され、制御力が高まる効果も期待できます。方位除けは、大凶方位にあたる時期や凶方位への引っ越しなどの際に行うのがベストタイミング。国内には、ご祈祷で知られる有名な神社などがたくさんありますので、気になる場合には確認してみてください。
八方除けをする
凶方位に引っ越しした場合は、「八方除け」も災厄を防ぐ方法として知られています。これは「八方塞がり」の災いを避け、全ての悪い方位からのエネルギーを防ぐもの。
八方除けは方位除けの一種ですが、凶方位だけでなく全方位から可能性のある災難を防ぐことが特徴です。八方塞がりとは、自分の本命星が中央にある年で、中心にあるのでどの方位に移動しても全方位が塞がっているという状態を指します。
そのため何をやってもうまくいかない、大きな決断をするとトラブルや失敗が待っているということも。八方除けは、神の力で受け止めて祓い清めることが目的です。
運気が乱れている時は、祈祷することで土台が安定し、その年を安心して過ごせるようになります。ご祈祷は神社で行うことが一般的で、日本で最も有名なのは寒川神社。八方除けの守護神として知られています。
気にしない
凶方位に引っ越ししたとしても、絶対に悪いことが起こるとは限りませんし、逆に心配しすぎることで精神的な負担が増える可能性もあります。そうならないためにも、凶方位を一切気にしないというのも対策のひとつ。
既に引っ越しをしたという場合は、方位のことよりも新生活に意識を集中させて毎日を楽しむことで、ポジティブなエネルギーが集まってくるでしょう。
凶方位にいると必ず悪いことが起こるというわけではないので、気持ちの持ち方次第で解釈は変えられるでしょう。また、引っ越し後でも方位除けなどの改善策はありますので、心にゆとりを持って過ごすことも対策として有効です。
お守りを持つ
凶方位に引っ越ししたら、お守りを持つこともひとつの方法です。神社の厄除けのお守り、開運守などがおすすめです。神社にお参りすることも効果が期待でき、開運に向けて何かを努力する姿勢は、凶作用を避けるポイントになるでしょう。
引っ越し先での開運アップのコツ
凶方位への引っ越し、逆に吉方位に引っ越しをして運気がアップする人もいるように、引っ越し自体が開運のアクションになります。引っ越しする場合は、引っ越し先の運気をアップする次のポイントを意識してみましょう。
吉日を選ぶ
大安や一粒万倍日、天赦日などは引っ越しにおすすめの吉日です。最近はあまり暦を気にしない人も増えており、引っ越し業では仏滅の日に割引サービスといったことも多いです。
しかし後で気にするのも嫌なので、そんな場合は引っ越しを吉日に行いましょう。引っ越し中のケガ、トラブルを避けることで、落ち着いて新生活を始めることができます。
先勝の午前中に引っ越す
どうしても凶方位に引っ越ししなければいけない状況で、引っ越し日も吉日が選択できないという場合もあります。その際には、物事を始めるのにおすすめされている「先勝の午前中」に引っ越ししましょう。プロポーズ、商談、結婚式、入籍などはこの時間帯がベストとされています。
引っ越し直後のコツ
引っ越しする際、可能であれば荷物を入れる前に全ての窓を開放して換気しましょう。古い気を放出して、空間を清める意味があります。また、新居で最初に食事をする際には「火」を使った料理をすること。
これは「新しい土地で生活を始めます」と神様に挨拶する意味があるとされています。そして盛り塩も、引っ越し先でできる開運のコツ。玄関は気が入ってくるところなので、盛り塩で浄化しましょう。邪気が集まりやすい水回りも、盛り塩があると気の流れが改善されます。
凶方位に引っ越ししても焦らず対策を!
凶方位に引っ越ししたからといって、悪いことが絶対に起こるというわけではありません。新生活のスタートは、心身共にバランスよく過ごすことが大切なので、凶方位が気になるなら対策を講じて安心して暮らすことをおすすめします。
凶方位で悪いことが起こる可能性があっても事前の対策はありますし、運気をアップさせるためのお守りなどもあるので、気持ちよく引っ越しを計画してくださいね。
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