レジリエンスとは何か、ネットやSNSでもよく話題になっている言葉なので気になるという方は多いでしょう。ビジネスでも大切にされている「レジリエンス」ですが、より自分を磨き成長させるために必要とされる理由を、今回は詳しくご紹介していきましょう。とくに心が折れやすい方、挫折すると立ち直るのが大変な方は必見です。
レジリエンスとは何か?
レジリエンスとは何か、自己啓発の場でもよく出てくる言葉なので、既に聞いたことがある方もいるでしょう。
では早速ですが、「レジリエンス」とはどのような意味があるのか、ポイントごとにご解説していきましょう。
レジリエンスとは
「レジリエンス」とは、困難な状況に直面した時、折れずに立ち直る「力」のことを意味します。レジリエンスとは、元々は物理学用語で、外の力により変形したものが元に戻ろうとする力や弾力のこと。
近年では、システム開発や心理学などのフィールドでも、適応力や折れた心の回復力などとして使われることがあります。たとえば「防災レジリエンス」や「レジリエンス経営」など、他の言葉と組み合わせて使うシーンも増えています。
また、レジリエンスは生まれつきのものではなく、自己啓発などのトレーニングにより高められるものであることも特徴です。
回復力について
レジリエンスとは「回復力」という意味もあり、ストレスや逆境、困難な場面で立ち直る精神的回復力のことです。とくにビジネスの現場で注目されるようになったのは、社会生活で受けるプレッシャーやストレスが増大しているためで、仕事により精神的な苦痛を抱える方も増えている背景があります。
そんな時代においてレジリエンスは、回復力として多くの人に求められるものになっているのです。仕事のミスで落ち込んだ時や人間関係で悩んでいる時、そこから立ち直るのは決して簡単ではありませんが、レジリエンスが高いと元の精神状態に回復しやすくなると考えられています。
大規模災害やパンデミックなども影響しており、社会情勢とビジネス環境が急変する事態が身近にあります。そのような目まぐるしい変化の中で適切に対応するためにも、回復力は多くの人や状況に求められるのです。
適応力について
レジリエンスは「適応力」も要素のひとつで、状況の変化にどのように適応するか、ストレスやプレッシャーを最小限に抑えて柔軟に変化する力でもあります。
似たような言葉に「順応力」があり、どちらも環境の変化に対応するものと考えられていますが、レジリエンスの適応力とは「自分から行動を変えて新たな環境に適する能力」です。
それに対し、順応力は「自分を新たな環境に馴染ませる能力」といった意味合いがあり、適応力は能動的なもので順応力は受動的なものと解釈できます。
どちらも社会生活を送るうえで大切ですが、自己改革のためにはレジリエンスの適応力は欠かせないものになるでしょう。主体的に変えるためには、新たなスキルを身につけるなど、環境を活用する必要もあります。レジリエンスを高めるには、自己成長が土台にあると考えるとよいでしょう。
成長力について
レジリエンスとは「成長力」も要素のひとつで、自分の力でスキルや知識を身につけて成長していく能動的な力を指します。成長力をアップさせるには、自分の状態を正しく把握することが必要なので、同時に自己認識力も磨かれるでしょう。
社会生活では、与えられたタスクをこなすだけでなく、成長のチャンスとしてツールを自ら見つけ出すことも必要です。ビジネスシーンなら自己啓発書籍を読む、セミナーに参加するなど、主体的な学びは必要になるでしょう。
成長力は短期間で身につけるものではなく、長期間にわたり実践して行動することが大切。また、適切に成長しているか認識するためにも、フィードバッグで確認することも成長力を磨くコツになるでしょう。
現代社会は変化がとても激しく、成長力はそんな中で幸福を得るために大切な力です。生活とキャリアの満足度を高めるためにも、レジリエンスと密接なつながりがあります。
レジリエンスが高い人の特徴について
レジリエンスとは、困難にぶつかった時の回復力や復元力で、心理的な意味も含んでいますので、ストレスへの対処にもとても役立つ能力です。
自己を高めてより豊かな生活を送るためにも必要なレジリエンスは、次のような特徴がある人はとても高いといわれています。
自己肯定感が高い
レジリエンスとは、回復したり復元したりする力のことで、レジリエンスの持ち主の特徴として自己肯定感が高いことが挙げられます。自己肯定感とは、ありのままの自分を受け入れる力のことで、ポイントは「肯定的に理解する」という感覚。
他者との比較をベースにしたものではなく、自分を軸にしてあらゆる面を含め、今の自分が大丈夫であると認識する心の状態です。自己肯定感は幸福度を高めるためにも大切ですし、社会生活でストレスやプレッシャーから解放されるための土台でもあります。
周囲の評価を気にしやすい人や傷つきやすい人はレジリエンスを高め、自分の存在そのものを肯定することが大切です。ダメな部分があっても、それが自分自身なんだと認めること。また、全てを含めて自分に価値があると思う気持ちは、自己肯定感を構成するものとして必要です。
失敗を成長の糧にする
レジリエンスが高い人は、失敗を成長の糧にすることができます。失敗は心が折れる原因で、多くの人はそこで立ち止まり、なかなか前進できないものです。
しかしレジリエンスを高めるためには、失敗経験に目をつぶるのではなく、それをバネにすることが大切。単に立ち直るのがレジリエンスではなく、その衝撃をポジティブなエネルギーに変えることが、より高いレベルに行くコツにもなるでしょう。
失敗は、決して嫌な経験ではありません。過去のこととして忘れるのではなく、バネにして自分の成長のステップにすること。レジリエンスが低い人は、失敗した自分の存在を否定しがちですが、逆に自分の行為を分析して改善点を見つけることがレジリエンスにつながります。
失敗したから自分の価値が下がると思うのではなく、失敗してより自分が成長できると解釈する人は、レジリエンスがとても高いです。
自分の長所と短所を知っている
レジリエンスが高い人は、自分の長所と短所を理解しており、客観的に自己判断できることが特徴です。自分を知っていると、失敗した場面で冷静な判断ができますし、無駄に自分を否定することはなくなります。
長所はたくさんあったほうが有利。しかし短所も、考え方次第ではリスク管理の材料になるので大切なのです。苦手なことをやる時、ストレスを感じたり失敗に恐怖心を抱いたりするのは当然。
そこでレジリエンスが必要になり、具体的な対策を考えて自分の長所を活かし、失敗しても再起できると勇気を持つことにつながります。レジリエンスが高い人は、短所の捉え方がポジティブで、自分のダメな部分ではなく「特定の状況で裏目に出る特徴」だと思っています。だからこそ、短所は長所にも変えられますので、心が折れた時に立ち直りやすいのでしょう。
立ち直るのが早い
レジリエンスとは「復元力」を指す言葉ですが、何かが起こった時に元の状況に戻すのが困難な場合もよくありますよね。仕事のミスのように取り返しのつかない場面もありますので、その時にレジリエンスが高い人はどうするのか気になるところです。
立ち直りのスピード感は、自己肯定にも欠かせないもの。レジリエンスが高い人は、失敗をすぐに忘れるのではなく、脳と心が素早くダメージを処理しています。
また、感情をうまく整理できますので、過去に執着せず前進します。既に起こったことは変えられないという視点から、今後変えられることにフォーカスすることがポイント。
早く立ち直るには、失敗した事実をどう解釈するかということが重要で「自分がダメだから…」ではなく「よい経験になった」と即座に書き換えるのです。そうすれば、最終的な感情もポジティブに変わり、立ち直りはより早くなるでしょう。
自己洞察力がある
今の時代は他人のやることが手にとるようにわかり、自分以上に周囲の視線が気になってしまいますよね。レジリエンスが高い人は自己洞察力があり、内面と外面、どちらも深く見つめることができます。
失敗して心が折れやすい人は、表面的な感情に流されやすいのではないでしょうか。レジリエンスを高めるには、自分を客観的に深く知ることが必要で、なぜそう感じるかなど、本質的なことを知る必要があるのです。
自己分析は、自己啓発でもよく取り上げられる課題ですよね。分析とは傾向を知ることで、傾向の背景にある動機や心理まで深く理解することが「自己洞察」です。
レジリエンスが高い人は自分の軸があるため、感情的になった時もなぜ今悲しいのかなど、冷静に自覚できます。自分の心をうまく解釈できるので、他人の感情にも敏感でいられることが、レジリエンスが高い人の特徴です。
コミュニケーションが豊か
レジリエンスとは回復力のことで、他者とは関係ないように感じるかもしれませんが、コミュニケーション能力はレジリエンスに欠かせないものです。
ただ会話上手であるだけでなく、相手と心のつながりを高め、好ましい関係にシフトすること、それが本来のコミュニケーション能力です。
レジリエンスが高い人は、話すこと以上に「聞く」ことを重視していますので、自分の感情よりも相手を客観的に理解するのが上手です。そして自分をよく理解していることもレジリエンスが高い人の特徴で、相手の言葉の裏にあるものを察知し、共感できる部分を見つけるのが得意です。
コミュニケーション能力とは、自己アピールではありません。相手に伝える力、そして自己受容にも欠かせない能力で、自分を他者に受け入れてもらうためにも、正しい言葉選びと表現力が求められるのです。
感情をコントロールできる
心が折れやすい人は感情の整理が難しく、いつまでもネガティブな気持ちを引きずってしまうでしょう。レジリエンスが高い人は、感情を押し殺さず適切に扱うことができます。
感情は人間が持つもので、周囲から影響を受けることが多いですよね。その波が強いほどコントロールが難しくなり、とくにネガティブな影響は周囲から受けやすいので要注意。
レジリエンスが高い人は、自分の感情にまず気づき「イライラしている」「不安になっている」とラベリングします。そして感情と自分を切り離し、「今自分の中で怒りが湧いている」と適度に距離を置いて解釈できます。
感情はアクションを起こす起爆剤にもなりますので、間違えると人間関係も悪くなるでしょう。感情のコントロールは、自分の行動を正しく選択するためにも大切なことです。
問題解決スキルがある
レジリエンスが高い人には問題解決スキルがあり、理想と現実を切り離して状況を適切に改善していきます。多くの人は、嫌なことが起こったらまず感情的になるもの。
しかしそこで冷静に現状を把握するには、主観的な思いを排除して冷静に原因を分析する必要があります。根本的な部分は表面には出てきませんので、仕事のミスなどは深掘りして原因を特定することが重要です。
そして解決方法はひとつに固執せず、あらゆる選択肢を考え、実際にやってみてデータとして記録していくのです。問題解決のためには、経験だけでなく柔軟なアイデアの持ち主であることも大切。
複雑な状況でも問題をあらゆる角度から分解し、自己成長のチャンスと捉えて前向きに対処していきましょう。
レジリエンスを高める方法
レジリエンスとは、自信をつけるためにも欠かせない能力で、レジリエンスを高めると他人に対しても柔軟な態度で接することが可能になります。
幼少期の過ごし方やトラウマの経験などは、レジリエンスの構成に影響を与えるともいわれるものの、トレーニング次第でレジリエンスを高めることは可能です。まず次のポイントを意識して、心が折れやすい方は少しずつ自己成長していきましょう。
自己効力感を高める
レジリエンスを高めるには、自己効力感を高めることが大切です。これはカナダの心理学者アルバート・バンデューラ博士が提唱した概念で、未来の可能性や行動に関する自信のこと。
「自分にはできる」と思う気持ちが自己効力感であり、難しいプロジェクトを任された時のように不安を抱く場面でも、経験を活かしてやり遂げられると信じることがポイントです。
自己効力感を高めるためには、小さな成功体験の積み重ねが有効です。目標をひとつ考えたら更に細分化して、ひとつひとつ達成していく感覚。
他者からの肯定的なフィードバックは自己効力感につながりますので、外に向けたアプローチも意識してみましょう。ロールモデルを参考にし、目標達成のコツを掴むこともおすすめです。
思考の傾向を知る
レジリエンスを高めるには、自分の思考の癖を知ることも大切なポイントです。ただ感じて終わりにするのではなく、なぜそう思うのかなど、日常の感情を冷静に理解すること。
そのためには感情を日記に記録して、具体的な出来事と照らし合わせるのもよいでしょう。たとえば「他人の言葉に振り回されやすい」「白黒で判断しやすい」など、自分の考え方にはある種の傾向があるはずです。
中には固定観念に縛られやすい人もいますので、今後のストレス軽減のためにも、思考パターンを可視化することは大切です。レジリエンスが低い人は、物事をネガティブに捉える傾向も。毎日感じることをまとめ、決断した背景なども記録しておくと思考が見えてくるでしょう。
自分の長所を活かす
レジリエンスを高めるには、ありのままの自分を知ることが最初のステップ。そのうえで長所をより活かすと、仕事もスムーズに進めることができるでしょう。
たとえばスキルがある人はもっとスキルを活かせる仕事をする、他者を思いやれる性格の人はもっと他人の動きや考え方を意識してみるなど。
自分の強みは、豊かな生活の土台になるだけでなく、他者とのつながりも強化してくれます。長所とは、過去の経験を振り返り、他人から褒められたことや得意に感じるもの。
親しい人に聞いてみて、自分の長所を分析することもよいでしょう。自分を売り込むのは抵抗があるかもしれませんが、長所は正しく認識しておいたほうが社会生活でも有利になるでしょう。成功したエピソードから自分の長所を見つけ、更に活かすことでレジリエンスも高まっていきます。
心身の健康を意識する
レジリエンスを高めるには、心身の健康を大切にしてください。心が折れやすい時、無意識のうちに肉体にも負担がかかっています。普段から生活習慣を整え、快眠、運動、栄養補給など、バランスよくアプローチしたいですね。
心配事やストレスがある場合は、紙に書き出して自分と向き合うこともよいでしょう。また、ストレス耐性を高めるためには、趣味の時間を持つこともおすすめ。
心が折れても癒す場があると、これからは不安も軽減されるでしょう。とくに心の健康は、社会生活を送るうえでも大切なポイントです。自分にプレッシャーをかけず、失敗しても大丈夫な環境を作ることで、立ち直りも速くなるはずです。
レジリエンスを知って日常を充実させよう!
レジリエンスとは、困難な状況に対する自己効力感をはじめ、回復するためのスキルや知識など、何事にも自信を持って対処することです。
レジリエンスは、個人やチームなど、状況によって求められることは変化します。しかしその全てに共通して最も大切なのは、心身の健康を維持してストレスとうまく付き合うことといえるでしょう。
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